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今そこにある危機
 
 民主党が政権を執って一ヶ月、毎日テレビから鳩山首相、婦人、各担当大臣が一生懸命活躍している姿が映る。
 年金問題、高速道路の無料化、児童手当、郵政社長の首のすげ替え・・・
 改革は進んでいるような「感じ」はしていた。
  ところが先日の来年度予算の概算請求。要求額の半分以上が赤字国債に頼る支出。しかも今年度を上回る部分が
 マニュフェスト予算、ということは誰だって出来た。作れる予算ではないか。
  2005年をピークに日本の人口は減少してきている。このままでは2050年には9千万人とも8千万人に
 なるとも言われてきている。さらに老齢化が進み生産人口が5千万人になってしまうと、現在の計算式で成立している
 年金支給にしろ税金の体系にしろすべてが成り立たないことは歴然としている。
 もっと恐ろしいのは、大企業の「日本離れ」大手の製造業はかなり前から海外に生産拠点を移してきた。ここへ来て
 流通業が日本の店舗を閉鎖して海外にシフトし始めた。製造業も過去は日本向けの商品を製造していたが、今はもっぱら
 海外向けに移っている。となるとここでも日本国への税収が確実に減っていくことがわかる。
  今週末から東京モーターショーが開催される。ニュースでも報道されているように規模は昨年の半分。海外の参加企業は
 激減。理由は100年に1度の経済危機というが、中国のモーターショーは空前の参加率。もはや国際的な自動車産業の
 中心は中国にシフトされている。おそらく来年以降も同じ傾向が続くであろう?。
 なのに将来にわたっての「国策」が見えてこない。法人税の大幅減少、所得税の減、消費の減少に伴う消費税の減。国家の
 収入が全く読めない状況の中で政権を執ったからというだけで、マニュフェストの敢行のためだけに借金をするのは
 いかがなものか?このしわ寄せがどこに行くのか・・・?
 
 先日ポートランドに行って市庁舎を訪ねた。人口約54万人の都市で議員が4名ということだ。歴史も行政に対する考え方も
 違うので一概には言えないが(議員の数だけが無駄だとは言わない)少人数であればある程責任が明確になり、処置も
 早くなるはず。
 私たちはどうしても目先の景気に一喜一憂せざるを得ないが、今の状況では、今回の景気が回復する見込みは全く考えられない。
 期待できる要素がない。大企業のように海外に逃げ出せれば(失礼、海外進出できれば)、いいが中小企業はそうはいかない。
  今年の正月にもコラムを載せたことがあるが、
 大企業は動物で中小企業は植物だと、動物は食べ物があればどこにでも移動します。したがって大企業はマーケットさえあれば
 豊富な資金と人材で世界の果てまで移動し財を集めることが可能です。一方植物はいったん根を生やしたらそこからは動けない
 中小企業はお金と人間の制約で御縁があった場所で営んでいきます。
 しかし、「動けない植物は、動ける動物以上にこの地上に繁栄しています。植物は実は動けないのではなく、動かない生き方を
 選択して成功するのだ」すなわち動物は体が大きい分食べ物を求めて動き回らなくてはならない宿命にある。
 氷河期には死んでしまう。でも植物は太陽と水さえあれば光合成で自力で生きていけます。
 日本は民主党が今のような政治しかできないのであれば確実に政権交代が起こります。冷静に国家戦略を唱える政党が
 育ってくれなければ日本自体が崩壊します。
 
 何度も言いますが、景気は回復しません。多少の浮き沈みはあっても以前のような時代は来ません。
 
 私たちは「植物」を自覚し、「植物」の夢を見、「植物」の連鎖をしながら改めて自力で生きるすべを探して
 いかなければならないと思います。
 
 
 
 
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