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俺の話しを聞けVol16 「100万回生きたねこ」
 
 1977年に発表された絵本作家の佐野洋子さんの作品。絵本の業界では超ベストセラーなのでご存知の方も多いと思いますが、
 たまたまテレビで彼女のインタビューを聞いて、彼女の人となりを知ってあらためて読み返す気になりました。
 絵本のあらすじは、
 『主人公の猫が、ある時は一国の王の猫となり、ある時は船乗りの猫となり、その他、サーカスの手品つかいの猫、どろぼうの猫、
 ひとりぼっちのお婆さんの猫、小さな女の子の猫…と100万回生まれ変わっては、様々な飼い主のもとで死んでゆく。その時、
 100万人の飼い主は猫の死にひどく悲しんでいたが、当の猫は全く悲しまなかった。主人公の猫は飼い主の事が大嫌いだったのだ。
 ある時、主人公の猫は誰の猫でもない野良猫となっていた。「自分だけの事が好き」な主人公の猫は、100万回生きたことを自慢し、
 周囲のメス猫たちも何とか友達や恋人になろうと、プレゼントを持ってきたりして周囲に寄ってくる。しかし、唯一自分に関心を
 示さなかった一匹の白猫の興味をなんとか引こうとするうちに、いつの間にか主人公の猫は、白猫と一緒にいたいと思うようになる。
 そして、白猫にプロポーズするのであった。白猫は主人公の猫の思いを受け入れた。そして時がたつと、白猫はたくさん子供を産み、
 年老いていき、やがて主人公の猫の隣で動かなくなった。そこで主人公の猫は初めて悲しんだ。朝になっても昼になっても夜に
 なっても、100万回泣き続けた。そして主人公の猫もとうとう白猫の隣で動かなくなり、それ以後生き返ることはなかった。』
 というお話。佐野洋子氏いわく、結局一度生まれて一度しか死ななかったという単純な話。ですが非常に深いものがある。
 私が初めてこの絵本と出会ったのは、かれこれ20年前。お芝居の仲間の身内の結婚パーティーで後輩が紙芝居方式で朗読した。
 『結婚式なのに何故、死の話?』と思ったが朗読が終わると一同涙。以来知り合いの結婚式の話しを聞くとなるべくこの絵本を
 プレゼントするようにして来た。(おそらく15冊くらいは贈っている)
 インタビューの中で彼女は、「最近の子供たちは、汚いものとか、死とかを親や周辺がみんな隠してしまう。文化が進んでいくと
 どんどん衛生的になって、不衛生なものを隠してしまうために、子供たちの感情の幅が薄れていく」というような話しをされていた。
 確かに今回の震災でもテレビは遺体は映さないし、津波の放映を続けると問題があると言って、何とかきれいごとにしてしまう
 ようなところはある。世の中が全部きれいごとで終わるなら苦労は無いが、いつか必ず死や汚いことに遭遇する。小さい頃から
 多少なりとも関わって行くことによって、免疫が出来るはず。作っていかなければいけない。
 今更絵本なんてと思うかもしれませんが、図書館で立ち読みでもいいので、一度読んでみたらどうですか?
 
 
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