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俺の話しを聞けVol28 目標管理をするということ
 
 飲酒運転による死亡事故や車両の整備不良による事故、長時間労働による事故がなかなか減少しないという理由もあって、
 道路交通法が変わり、運送会社に対する管理の強化が厳しくなってきました。今回の変更は単に義務化だけではなく、
 罰則規定(業務停止処分等)も含まれており、避けて通れない課題になっています。当社では「せっかくやるなら、
 前向きに」ということでアルコールチェックや免許証の確認に加え、今までしてこなかった、精神面での面接や
 安全運転に関してのヒヤリング、車両の点検状況などを進めてきました。
 運送会社も「荷主様の貨物を運ぶだけ」の時代はすでに終わっています。しかしながら現在も多くの企業が昔ながらの運営を
 しています(せざるを得ない状況でもあります)。出来ない理由は、運賃の低下や流通業の配送システムの変化に対応できな
 かったことや、求人や事故処理に経費を奪われ、トップが自ら配送してしまったりする。結果的に安全に対する費用を
 捻出することが出来なくなってしまったからです。
 3.11の大震災以来、流通をめぐる環境は大きく変わってきています。過去の馴れ合い配送体系はどんどん変化していきます。
 これまでの「安全運行」は当たり前で「衛生管理」「効率的配送システム」「バックアップ・サポート体制」「危機管理対応
 体制」などが加わって、さらに「コストダウン」が要求されてきています。
 そんな世の中の流れの中で、スタッフがどう育って行くかも重要な課題になります。これからの「目標」はすでに「安全運転」では
 なくなってきているはずです(もちろん安全運転はすべてに優先するテーマですが)。例えば本部長が「火の用心」と言って、
 みなさんが「火の用心」といっても「火」は消えません。本部長がそういった目標を掲げたら、課長や係長は「タバコは灰皿の
 あるところで!」とか「消火器はどこに何か所置く!」とか具体的な事柄をあげないと意味がありません。トップはある程度
 大きなテーマを目標にせざるを得ません。組織というのは、そのテーマをより具体的に落とし込んでいかなければなりません。
 しかも、事業所や担当係ごとに具現化する内容が必要です。トップが「無事故100日」をテーマにしたとします。例えば、
 5年以上無事故の人は具体的にどんなことに注意して無事故を続けたのでしょう?配送ミスの少ない人は配送時にどんな工夫を
 しているのでしょう?目標を立てる前に過去の成功経験を導き出し、より具体的に実現可能な項目にすることで、より精度の
 高い明確な目標が立てられるはずです。そして目標を立てる際大事なことは、必ず検証できることです。極端に言うと、
 「1か月頑張ります」みたいな目標では何をどう検証していいか、反省していいかわかりません。最初から努力しなくても
 達成してしまうような項目でも意味がありません。「有言実行」という言葉がありますが、目標をひそかに立てても結果論に
 なってしまいます。みんなの前で目標を明確にして、そして達成していく。
 小さな成功の積み重ねが大きな成果をあげられる一歩です。目標は個人のスキル(能力)によって多少は変わります。大きい
 小さいを問わずに達成の積み重ねを繰り返すこと。目標管理を繰り返すことが大事です。
 
 
 
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