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俺の話しを聞けVol45 痛み
 
 年末年始のあわただしい環境から、ようやく落ち着きを取り戻してきたような気がするが、テレビ番組はまだ徳番続きで
 相変わらず見たくなるような番組が無い。被災地も10か月が過ぎて、落ち着くどころか寒波に襲われ、様々な支援が
 打ち切られ自立したくとも出来ない方々がニュースの取材で登場するが、政治家は我関せずで知らん顔。
 そんな最中、講演会に行ってきました。経済学者の話しなので、「今年は厳しい」リーマンショックの後、何とかなると

 思ったら、ギリシャの財政破綻から、超ユーロ安、昨年から引き続くドル安・・・今さら聞かされても同じような

 話しが出る。
 何かいい材料がないかとそれでも聞いていると、人間は「歯」に異常があると「痛み」が出る「痛風」などもそうだが、
 体の痛い部分を教えてくれる。このままほっておくと大変ですよ!と注意信号を出してくれているんだ。しかし「がん」は
 最初痛みを感じない胃だとか肺だとか体の主要な部分の細胞が侵されていても痛みが無いので気づかない。そうしているうちに
 内臓や器官が「がん細胞」に侵され手の付けられない状態になって、そうなると痛みどころか手が付けられなくなって
 死んでしまう。ギリシャの国民は、4人に1人は公務員で53歳で定年してそこから年金がもらえる。今回の暴動は、
 市のシステムが崩れたのは政治家の責任だ!働かない自分たちの処遇をどうしてくれるんだと騒いでいるわけで、これを

 同じユーロ圏内の少なくとも彼らより働くドイツ人が観るととても救う気になれない。だったらしっかり自分たち(ギリシャ)の

 病気の痛みを認識して、その上で治療しましょう!という理論は間違いない。
 その理屈で日本を考えると、国家予算が90兆円。税収で賄える額が40兆円。残りは国際でという話だが、年収400万円の
 人が毎年500万円借りていくというのは誰がどう考えてもおかしな話で、もはや病気というより末期症状でいつ破たんしても
 おかしくない。なのに、誰もが痛がらないから応急処置だけ施してその場を凌ぐ。こんな国の国債がなぜ売れているかというと、
 国民は先行き不安なので収入があっても消費に回さず貯蓄してきた(最近は取り崩し始めている)。企業はデフレの為に
 とりあえず企業収益が上がるが、再投資をせずに銀行に預金する。銀行は預金されたお金の融資先が無いので国債を
 購入せざるを得ない。という図式になる。
 今、世界はインフレで動いているにもかかわらず、日本だけがデフレで推移している。こんな状況は続くわけがない。理由の
 一つに原材料の高騰が言える。原油、トウモロコシ、レアアース、世界中の資源が高騰している中で日本だけがデフレを
 続けられるはずがない。もう一つがユーロ圏の財政がひっ迫してきていることが金利の上昇につながるということだ。
 当然インフレの要因がこれだけそろえば確実に日本も影響を受ける。
 今、インフレにすぐなることはないが、いつ来るかなのであって、そうなったときの準備は必要だ。
 今、痛みが無いから、これからも無いのではなく、確実に痛みの分け前がやってくることを認識していないといけない。
 
 
 
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