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俺の話しを聞けVol50 「シンガポールという国」
 
 流通研究会の研修でシンガポールに行ってまいりました。710kuで東京23区とほぼ同じ面積に人口は510万人ということで、
 人口密度は割と高い。市内には公団の高層マンションが立ち並び、少し郊外に行くと富裕層が住む高級マンションが並んでいる。

 国としての歴史は新しく独立宣言されてから50年経っていない。多民族国家として成り立っており、イギリスの植民地時代に

 無関税の基地として貿易の中心地になっていたため、世界中の船のコンテナ基地としての機能が発達している。一般的には
 チューイングガムの持ち込み禁止や公共的な場所でのつばの吐き捨てやたばこの投げ捨てなど国で罰金や規制をしていることで
 なんとなく厳しい国という印象があるが、結果的にそれが国家の安全につながっているような気がする。街を歩いていても
 安心感があるのはそんな規制のおかげかもしれない。
 今回シンガポールに行って感じたことがたくさんある。その一つが宗教の保護ということだ。仏教・イスラム教・ヒンズー教の
 信者が混在しているため、それぞれを尊重した寺院とその周辺整備がされていること。高速道路のサービスエリアにもイスラムの
 お祈りをするための施設が整備されている。逆に彼らの住居は特定させずに公団住宅でもそれぞれが入り乱れて生活している。
 これは宗教ごとに振り分けてしまうと紛争が起きる可能性がある為にあえてふだんから交流させることでお互いの理解をさせる
 という国の政策でもあるようだ。シンガポールはそもそもが多民族国家であるために国の規制が国民の生活を合理的に解決する
 ために出来ているような気がする。短い滞在なのですべてを理解したわけではないが、例えば交通ルール。シンガポールでは
 左ハンドルの車が存在しない。基本的なルールが右ハンドルを前提としているので国外からも左ハンドルは持ち込めないようだ。
 私たちのバスの隣に止まったフェラーリでさえ右ハンドル(おそらく特注でお値段もかなりするだろうが)ホテルに泊まっていた
 ロールスロイスも右ハンドル。この例外を許さないルールが素晴らしい。そして生活道路も自動料金システムがあって、道路が
 渋滞する時間帯だけ料金を徴収するシステムがあったり、赤いナンバープレートの車は土日のみ運行が許されていて税金も安い。
 万が一平日走る必要が生じた際はネットで税金を払うと走れるらしい。その他市内にも自動車優先区域があったり、大統領の
 官邸付近などは黄色のギザギザのラインが書かれていて、この場所は事故があっても駐停車禁止ということで、テロ対策の
 一環でそうしたルールが出来ているということだ。ともすると規制ばかりで面倒くさそうな気もするが冷静にみると合理的な
 ルールになっていて、お役人や偉い人のためではなく、国民が安心して合理的な生活を守るために出来ている。
 ちなみに今回私たちが泊まったのは、2年前に出来たマリーナベイサンズという屋上に船が乗っているSMAPの携帯電話の
 CMでおなじみになったホテルで、シンガポールの埋め立て地に建っている。シンガポールは観光立国でこのホテルが出来る前
 までは失業率が6%近くまで上がってしまっていたようだ。マリーナ地区にこのホテルが出来て直接雇用だけで8500人の
 従業員が雇われ世界中からの観光需要が高まったおかげで失業率が一挙に1%まで下がったということだ。国が小さいという
 ことでちょっとしたプロジェクトでも数字が変わるようだが、目先のことだけしか出来ない日本の事を思うとこうした
 民間プロジェクトもうまく活用する事で、様々な国家の経済指標に影響を及ぼすという実感が湧く。日本もアジアの先進国と
 してリーダーシップをとらないといけない国であったはずだが、鎖国時代に影響か世界の中で生きていくフォーマットが
 全く出来ていない。民間はそれなりにグローバルな展開をしているが、国家としての機能は全くと言っていいほど未熟さを
 感じる。そういった意味でもシンガポールはこれからの国際社会を学ぶ大切な国であることを実感した。
 
 
 
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