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俺の話しを聞けVol53 「予算づくりの心得」
 
 中小企業と言えども、おそらくどの会社も「予算」(または目標)は年度の初めに作っている事でしょう。次年度の目標すら
 無いとすれば、どんな経営手腕があるのか逆に教えていただきたいくらいだ。「予算」というのは読んで字のごとく

 「あらかじめ算段」しておくということだ。したがって年度で言えば翌年の事業計画をどのように立ててどのように実行していく

 のか「行為計画」が示されて初めて数字が伴っていく。PTAや町内会の総会の様に毎年入金も出金もあまり動かない会だと
 毎年昨年の計画書の日付を変えるくらいで済んでしまうが、会社経営となるとそうもいかない。ましてや今年のような震災の
 後や毎年デフレ状態が続いている経済状況の中では昨年の焼き直しなんて予算は全く考えられない。
 中小企業にもよくある話で社長が予算を作れというと押しつけられたイメージがあって、何の根拠も無しに売り上げを作って
 出来もしない計画を立てる部下がいる。その場はなんとなくうまく収まるかもしれないが、経営判断という事になると
 大変な間違いを起こして下手をすれば倒産の危機も予想される。もしくは経営者が銀行のためだけに予算を作って金を借りてくる
 なんてのはもってのほかだ。
 以前に予算作成の重要さをある会社の幹部に話すと、「先のことなんかわかるわけないだろう」と反論されたことがある。
 「先が見えないから予算を立てて立てるのであって、すべてわかっているならある意味予算なんかいらないでしょう。」
 たいていの場合、この辺で理解してもらえるがさらにいうと、「仮説」と「検証」でまず、世の中がどんな風に動いて行くのか?
 自分たちの業界が今どんな状況で今後どういう風に変化していくのか?その中で自分の企業の資産がどういう変化をするか。
 従業員は、資金は顧客はどう変わっていくのかを予測し、経営者の判断で「仮説」を立てる。その仮説に基づいて幹部が具体的な
 行為計画を時間軸を含めて作成する。大事な事は世の中は常に変わっているということだ。一度決めた計画は何が何でも実行
 すべきだが、世の中の変化に対応することも必要で、計画の見直しは最低月に1度は検討する必要がある。予算は作ったけれど、
 「作りっぱなし」ではまったく意味がない。「検証」というのは評価の為にもあるが、次の仮説を立てる際の最大の行為で
 あることを認識していくことだ。
 「数字は行為で変わる。行為は数字で検証する」この繰り返しをしっかりと認識して改めて自社の「予算」を見直してください。
 
 
 
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