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俺の話しを聞けVol54 「損の確定」
 
 大阪の人に「もいかりまっか?」と尋ねると「ぼちぼちでんな。」と帰ってくる。もっとも近頃は、「あきまヘンな」とか

 「しんどいでんナ」に変わってきたが、そもそも「儲かる」とはどういうことでしょう?商売をやって利益を出すという

 当たり前の行為の中で、「儲かる」ということになるといったいいくら以上がもうかっていくらくらいがぼちぼちなんでしょうか。

 アメリカではアメリカンドリームで何千億円の資産があるとか、日本ではユニクロの柳井CEOがもの凄い資産を持っているとか、
 これは明らかに儲かったから手に入れたもので、親から授かったものではない。しかし我々一般市民には、まったく関係のない
 話しで常識的な所で言うと、会社の利益はおおよそ年間売り上げの3%の税前利益が上がれば合格ということになっている。
 年商10億円の会社は3千万円、100億であれば3億円というところだ。しかも宝くじではないので、継続的に利益を
 上げ続けなければならない。利益の使い道は会社の内部留保の保全のため、株主、社員のため、そして社会貢献のため(税金と
 いうことだが最近は本当に社会貢献になっているか不安)に使われる。庫の安定的なサイクルがすべての企業で行われたら
 素晴らしい「社会」が生まれるはずだが、なかなかそうはいかない。標題に「損の確定」というタイトルを付けた。私は
 いろいろな事業を創めるときに、「損をしない」というある意味大方針を立てる。当然何らかの投資をするわけだから、
 「利益」計画は立てる。これでうまくいけば何の問題もないが、紙に書いた計画書がまったくその通り実現できるなら誰も
 苦労はしない。私も今まで関わった多くの人達が失敗してきた例を見ている。はじめは良いがどんどんダメになっていく人。
 はじめからどうにもならない人。いつの間にか消えてしまった人。
 儲けをもくろむといくらでも計算ができる。利益が足りなければ売上予算を上げればいいし、計画の段階では人件費もいくら
 でも削減できる。もうけが見えれば投資も過大になってしまう。夢も膨らむ一方、リスクも増える。そこで「損の確定」事業に
 絶対はない。どんな成功者も絶対に儲かるとかはあり得ない。私は何か事業を創めるとき、いくら投資をして、だめになった時
 この事業でいくらまでの損で収まるかを考えるようにしている。1年先を見ることもあるし、3ヶ月で結論を出すこともある。
 事業をするということはイニシャルコストとランニングコストがかかる。イニシャル(初期投資)はすぐに結論が出るが、
 ランニングコストは特に人件費などはすぐにはきれないことがある。そういったリスクをすべて含めて「最大の損」がいくらで
 あるのか、を最初に決めておく。その損は自分にとって会社にとってどのくらいの影響力を及ぼすのか?会社の存亡に関わる
 ことなのか、他の利益の中で吸収できることなのかをきちんと把握しておく事が大事だ。もちろん損を出すために事業を
 創めるのではない。が、損を読めない人が事業を創めるのは危険だ。欲を掻いて「儲け」だけを夢見ることは結果的に罪悪だ。
 経営者は常に「儲け」と「損」の隣り合わせにいることを理解していくことだ。
 
 
 
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