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俺の話しを聞けVol86　「統計」

　世の中の仕組みがどんどん変化している中で、過去の統計データが役に立たなくなっている。

　というよりもデータの信憑性が実態に合わなくなっているようだ。例えばテレビの視聴率でも、家庭の録画機能の性能が

　良くなってきたため、時間帯や外出などと関係なく見られるために調査方法そのものの考え方を変えなくてはならない

　事態にもなってきているようだ。商業統計でも１０数年前は「通販」はその他の領域になっていたが、

　現在はネット通販の商業におけるウエイトが高くなって、とても「その他」ではまとめられない金額になっています。

　家計調査支出調査も、有料ネットゲーム等新しい家計支出の出現により、項目を増やしていかないと対応できなくなって

　きている。私達の業界の中では（すでにほとんど業界というくくりではないかもしれないが）ヤマトＨＤなどは、

　その業務拠点や配送システムを活用して、ネットスーパー支援（初期費用１２５万円、月額１５万円を支払えば普通の

　スーパーが明日からでもネットスーパーの稼働が可能になってしまう）、決済代行、医薬品卸（富山の薬屋）、

　リコール対策支援（電気器具やＰＣ関係の修理委託など）、そもそも宅配を深堀して行った先に新しい事業が生まれ、

　本業を超えてしまう機能（ノウハウ）を備えてしまう結果になった。

　私達の物流という考え方も、商業拠点の変化、消費者の購買行動の変化に応じて必然的に中身が変わっていく。

　現場で大事な事は数量の増減ではなく、出荷場所や業種の変化いに気付くべきで、その変化をどう現状のインフラに

　活かしていくかが正しい数字（統計）の読み方だ。

　最近はエクセルで簡単に統計データがグラフ化される「見える化」が経営に必要なことはわかっているが、

　大事な事は「読み取る力」だということを忘れてはならない。