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俺の話しを聞けVol107 「食品偽装」
 
 今回は(あえて今回という言葉を付けた)関西の老舗デパートの「エビ」の問題に端を発して、あれよあれよと全国の

 名だたる百貨店が私も私もと偽装の手を挙げた。おそらくここで発表しておかないと後では言えないという事だろうが、

 それにしても「ブルータスお前もか!」てな具合でここまでひどいとは思わなかった。

 私も15年前まではスーパーに関わってきた人間として、今さらというか、今頃というか、
 まだそんなことやっているのかと言わざるを得ない。正直私が現役で、今から30年以上前は偽装というより
 いい意味で「もったいない」作戦と生産性という勝手な正義感で、「リパック」といういわゆる生鮮品のパック詰めを
 毎日はがして新しいラップに巻き替え新しい日付にするという行為が作業項目に入っていた。

 かなり前に三重県の某有名御菓子メーカーさんが日付を打ち直していた事件がありましたが、

 それよりはるか前の出来事で、そのニュースを聞いた時も今時そんなことやっているんだとびっくりしたものですが、

 おそらく20以上前から普通のスーパーでは前述の件も、偽装も限りなくやっている企業が無くなってきたと認識しています。
 生鮮品も仕入れルートが明確になり、偽装する意味すら無くなっています。しかも低粗利で行うので、
 かなり膨大な作業ではありますが、確実にこなしてきたと思います。
 私が今回の件で許せないと思ったのは、それなりの代金をお客様からいただいているという事です。
 例えば普通の食堂で食べれば800円程度で済むものが老舗ブランドが付いただけで、3000円とかの高額の代金を
 要求するわけで、極端に言えば御客様はその店のブランドと信用を食べに行っているわけで、味が変わらないとか言うのは
 別にして全くもってバカにしている行為だ。
 しかも、後から後からこれ見よがしに不始末を発表。信じがたい光景だ。
 逆に考えれば、この件でおそらく全国のスーパーなども一斉に自店の状況を調べたと思うが、
 ほとんどニュースには上がってきていない。まったくゼロではなかったと思うが、いかに真面目(当たり前)に
 やって来たかということだ。私も小さなお弁当屋さんを1年前に始めたが、その店長のいかに真面目なことか。
 毎日毎日手間暇かけてコロッケやエビフライの仕込みをする。冷凍品を扱えば1分で済み、コストもかなり落とせるのだが、
 手作りを売り物にしているので毎日必死に取り組んでいる。彼にコンプライアンスとかマニュアルは通用しないが、
 結果的に信用をモノにしている。
 毎月何回か大手の企業の賄い弁当を依頼されている。私も時間があると配達に行くのだが、
 そこの従業員さんが「あ!今日はおいしい弁当の日だ」と言ってくれる。
 やはり冷凍では味わえない手作りの良さを感じてくれるんだろう。
 おそらく今回問題になった大手の食堂や百貨店の創業の頃は真面目な取り組みをしてきたんだろう。
 今さらあやまられてもしょうがないが、新陽の原点を見たような気がした。
 
 
 
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